セルヒオ・グティエレスは、ニカラグア北部ヌエバ・セゴビア県モソンテで、 ロスボルカンシートス農園を営むコーヒー生産者です。
30代と若い世代ながら、自身の農園に加えて精選施設「エル・シャダイ」を運営し、 他の農園から預かったコーヒーの精選も手がけています。
若い農園でCOE4位
ロスボルカンシートスは、セルヒオがモソンテに土地を取得して始めた比較的新しい農園です。
まだ収穫を始めて間もなかった2022年、レッドカツアイとパカマラのウォッシュドを Cup of Excellence に出品。89.35点を獲得し、4位に入賞しました。 当時、セルヒオたちはスペシャルティコーヒーの世界ではほとんど知られておらず、この受賞をきっかけに農園の名前が広く知られるようになりました。
翌2023年にはレッドカツアイのウォッシュドが86.35点で National Winner に選出。 2024年にはパカマラのウォッシュドが87.60点を獲得し、再びCOEで20位に入賞しています。
几帳面で、落ち着いた仕事
セルヒオは穏やかで、物事を一つずつ確認しながら話す人です。仕事でもそのペースは変わりません。
2026年にBOOKyourCOFFEEが精選について相談した際も、セルヒオが最初に確認したのは、 コーヒーが届く時期や量、必要な作業といった具体的な条件でした。
収穫期には、収穫してから精選場所を探す生産者もいますが、セルヒオはそうした急な仕事の受け方をしません。 事前に日程を共有し、設備や保管場所を確保したうえでコーヒーを受け入れます。
農園の経営も細かく分けています。 コーヒー農園、精選施設、松などを扱う事業はそれぞれ収支を管理し、コーヒーから得た利益は農園へ再投資しています。
生産者たちが勧めた精選所
BOOKyourCOFFEEがニカラグアで新たな精選先を探したとき、長年付き合いのある複数の生産者から名前が挙がったのがセルヒオでした。
理由として聞いたのは、処理が丁寧であること。そして、安心してコーヒーを預けられる人物であることでした。
セルヒオが運営するエル・シャダイでは、自身の農園だけでなく、他の生産者から持ち込まれたコーヒーも扱っています。 比重選別機や電子選別機などを備え、選別から計量、パッキングまでを行います。
2026年に訪問すると、施設には新たな機械が運び込まれ、処理能力を高めるための拡張が進められていました。
BOOKyourCOFFEEでも、将来的にはニカラグア各地で買い付けたコーヒーをエル・シャダイに集め、最終調製をセルヒオに任せる計画を進めています。
日本での再会
2024年10月にはセルヒオが来日し、SCAJのBOOKyourCOFFEEブースに参加しました。
会場では、普段からロスボルカンシートスのコーヒーを扱っているロースターをはじめ、多くの人と直接交流。 その後は山口県周南市にも足を運び、BOOKyourCOFFEEの拠点を訪れました。
2026年にニカラグアを訪ねた際には、セルヒオがこれまでの交流をまとめた写真のコラージュを用意して待っていました。
新しい品種と、次の収穫
ロスボルカンシートスでは、これまで結果を残してきたカツアイやパカマラを育てながら、新しい品種の導入も進めています。
農園の高い場所では、シドラ、ゲイシャ、ローリーナ、チロソなどを栽培。 既存の木を一度に植え替えるのではなく、収穫を続けながら段階的に新しい品種を増やしています。
精製方法についても試験を続けています。発酵時間や乾燥方法を変えたロットをつくり、カッピングで確認しながら次の方法を考えています。
ロスボルカンシートスはまだ若い農園です。 セルヒオ自身もまだ30代で、これから収穫を迎える新しい品種がいくつもあります。
一方で、彼の仕事はすでに自分の農園だけにとどまりません。 周囲の生産者からコーヒーを預かり、精選して送り出す役割も担っています。
農園と精選所の両方を少しずつ整えながら、任されたコーヒーを確実に仕上げる。 セルヒオは今、ニカラグアの若い生産者であると同時に、他の生産者からも頼られる精選者として仕事を広げています。

