レニー・ヒメネスは、ニカラグア北部ヌエバ・セゴビア県、 モゴトン山麓に位置するブリサス・デル・モゴトンを家族とともに営むコーヒー生産者です。
ヒメネス家では兄弟がそれぞれの分野を担当しています。 農園管理を担うバヤルド、収穫後の精製や乾燥、カッピングを担うレニー、 エンジニアとして運営に携わるラモン。 栽培から精製まで、家族で役割を分けながらコーヒーをつくっています。
モゴトン山麓で始まったコーヒー栽培
ブリサス・デル・モゴトンは、ニカラグア最高峰モゴトン山の麓に広がる家族経営の農園です。
父マウリシオ・ヒメネスが1996年に土地を取得し、その後、子どもたちへと受け継がれました。 当初からコーヒー農園だったわけではなく、本格的にコーヒー栽培を始めたのは現在のヒメネス家の世代です。
農園には多くのシェードツリーを残し、その下でコーヒーを育てています。 日陰を増やすと単位面積あたりの収穫量は限られますが、農園内の環境や水源を守ることを優先しています。
現在はマラカトゥーラ、ゲイシャ、イエロー・パカマラなどを栽培。 古くなった木を少しずつ植え替えながら、農園全体を更新しています。
兄弟で分担するコーヒーづくり
農園では、兄のバヤルドが栽培を中心に管理しています。 剪定や施肥、植え替えに加え、収穫期には糖度計を使ってチェリーの熟度を確認し、収穫のタイミングを判断します。
収穫後の工程を中心に担うのがレニーです。 精製から乾燥、カッピングまでを自分たちで行い、処理したコーヒーを実際に飲みながら翌年の方法を考えます。
弟のラモンはエンジニアとして運営に携わっています。
それぞれが別の仕事を担当しながら、栽培からカップまでの結果を家族の中で共有できる体制をつくっています。
3袋から始まった付き合い
BOOKyourCOFFEEとレニーが知り合ったのは、以前から取引していた生産者からの紹介がきっかけでした。 生産者が集まる食事会で同じテーブルになり、その後も交流が続きました。
2022年にはブリサス・デル・モゴトンを訪問。 最初に買い付けたコーヒーは3袋だけでした。
その後は毎年農園を訪れ、カッピングをしながら取引を続けています。 付き合いは2026年で4年目となり、現在では農園だけでなく家族とも時間をともにする関係になっています。
乾燥場で暮らすレニー
収穫期になると、レニーは乾燥場に住み込みます。
乾燥中のコーヒーは天候の影響を受けるため、雨が降ればすぐに対応し、朝は早くから乾き具合を確認します。 乾燥場に常駐することで、その日の天候や豆の状態に合わせて作業を変えることができます。
もう一つの理由が、チェリーを守ることです。
近年、現地では収穫したコーヒーチェリーが盗まれる被害が増えています。 一年間育て、ようやく収穫したチェリーを盗難から守るため、レニーは番犬とともに乾燥場で夜を過ごします。
乾燥方法も毎年検証を続けています。 日陰で乾燥させたコーヒーについては、含水率が15〜17%ほどになった段階で直射日光の下へ移し、 約1時間、絶えず攪拌する工程を取り入れています。その後、再び乾燥を進め、最終的な含水率を調整します。
レニーたちは処理を変えたロットをカッピングし、その結果を次の収穫に反映しています。
ブリサス・デル・モゴトンとして初のCup of Excellence受賞
2025年、ブリサス・デル・モゴトンのゲイシャ・ナチュラルがニカラグア Cup of Excellence で87.55点を獲得し、13位に入賞。 ブリサス・デル・モゴトン名義では初めての Cup of Excellence 受賞となりました。
翌2026年には、再びゲイシャ・ナチュラルを出品。88.69点を獲得し、ナチュラル&ハニー部門で5位に入りました。
農園管理、精製、カッピング。 それぞれの仕事を兄弟で担い、力を合わせて一つのコーヒーをつくる。 それがヒメネス家のコーヒーづくりです。


