Samuel Zavala
Coffee Producer
Samuel Zavala
Nicaragua / Nueva Segovia
サミュエル・サバラは、ニカラグア北部のヌエバ・セゴビア県で、 ラ・エスペランサ農園やエル・カンバラチェ農園などを管理する コーヒー生産者です。
家族が築いてきた農園を受け継ぎながら、 農学の知識と継続的な研究を生かし、 品種や精製方法の可能性を追求しています。
サバラ家との出会い
BOOKyourCOFFEEがサバラ家と初めて出会ったのは、 2007年2月です。
最初に出会ったのは、サミュエルの父である サラティエル・サバラでした。
サラティエルはコーヒー生産に対して非常に情熱的で、 家族が力を合わせて農園を運営する、 昔ながらの家族経営の生産者でした。
当時のコーヒーには、品質面で改善できる部分も残されていましたが、 サバラ家の姿勢とコーヒーには大きな可能性が感じられました。
突然日本から訪れた私たちに対し、サラティエルは、 どの程度の量を購入するのか、 翌年以降も継続して農園を訪れるのかを繰り返し確認しました。
品質向上には、長期的な取り組みと投資が必要です。 生産者にとって継続的な取引は、 農園経営や品質改善を進めるうえで重要な基盤となります。
その後も私たちは毎年現地を訪れ、 品質を確認しながら、サバラ家のコーヒーを継続して取り扱ってきました。
農園で育ち、農学を学ぶ
サミュエルは、サバラ家の長男としてソモトの町に生まれました。
自宅が農園の中にあったため、幼い頃からコーヒー農園で遊び、 日常生活の中で自然にコーヒー生産に触れて育ちました。
1994年に父のサラティエルがラ・エスペランサ農園を運営するようになり、 その後、母も別の農園を購入しました。
サミュエルは学生時代からコーヒー農園で働くことを決めており、 大学では農学を専攻しました。
2015年から本格的に両親の農園運営に携わり始めます。
父の他界と農園の継承
サミュエルが本格的に農園運営に携わり始めてから約2年後の2017年、 父のサラティエルが突然の事故で他界しました。
その後、サミュエルは若くして農園運営のほぼすべてを 任されることになります。
父は偉大な人でした。
私たちの農園には、 これまでにも多くのCup of Excellence受賞経験がありますが、 それも家族の結束があったからだと思います。
生前は父が家族を取りまとめていましたが、 今は私がその責務を任されていると感じています。
これまでどのような問題も解決してきました。 これからも家族と力を合わせて、 困難に立ち向かえると信じています。
サミュエルが受け継いだのは、農園や設備だけではありません。 家族をまとめ、農園を次の世代へつなぐ役割も、 父から引き継ぐことになりました。
現在、サミュエルには2人の息子がいます。 自身が農園の中で育ったように、 サバラ家の暮らしとコーヒー生産は次の世代へと続いています。
父の2位を受け継ぎ、その先へ
父のサラティエルは、2015年のCup of Excellenceにおいて、 ラ・ピコナ農園のコーヒーで2位を獲得しました。
家族農園として国際的な評価を確立した一方で、 その品質と農園経営を引き継いだサミュエルには、 父が築いた水準を落とすことはできないという強い思いがありました。
父の他界後、サミュエルは家族とともに農園を守りながら、 栽培管理、収穫、精製、乾燥の一つひとつを見直しました。 品質を維持するだけでなく、さらに高めるための試行錯誤を重ねていきます。
2018年には、エル・カンバラチェ農園の マラカツーラ・ウォッシュドがCup of Excellenceで90.23点を獲得。 サミュエル自身の名で、国際的な評価を受けるようになりました。
そして2021年、エル・カンバラチェ農園の マラカツーラ・ウォッシュドが90.75点を記録し、 Cup of Excellenceで2位を獲得します。
父が2015年に記録した最高順位と同じ2位に、 サミュエル自身のコーヒーで並んだことになります。
しかし、サミュエルはそこで満足することなく、 品種の選定や植え替え、精製方法の検証、 乾燥工程の改善を続けました。
その積み重ねは、2025年のラ・エスペランサ農園、 2026年のエル・カンバラチェ農園による、 Cup of Excellence Washed部門での2年連続1位へとつながりました。
父から受け継いだ品質を守り、父と同じ2位に並び、 さらにその先の1位へ。 受賞を到達点とすることなく、 サミュエルは現在も、より良いコーヒーを目指して研究と改善を続けています。
農園に残る歴史
農園近くにある自宅の敷地内には、 ウェットミル、実験用の乾燥場、 季節労働者が滞在するための宿泊施設などがあります。
また、現在では目にすることが少なくなった処理用の水路や、 初期に使用していたパルパーも残されています。
家族を中心とした昔ながらの農園経営と、 ニカラグアの生産地で精製設備や技術が変化してきた過程を、 同じ場所で見ることができます。
データを基にした品質改善
サミュエルは、代々受け継がれてきた農園の運営方法を大切にしながら、 新しい知識や技術も積極的に取り入れています。
農学者としての知識を生かし、 精製や乾燥に関するデータを取りながら、 ロットごとの変化を検証しています。
新しい精製方法への挑戦だけでなく、 農園の環境や標高に合わせた品種選定や植え替えにも取り組んできました。
日本のロースターからの支えのおかげで、 新たにエル・カンバラチェ農園を買い足すことができました。
現在はゲイシャなども植えています。 土地に合わせて、カツーラからマラカツーラへの植え替えも予定しています。
新しい処理にも挑戦したいと考えており、 データを取りながら日々研究を続けています。
継続的な取引によって農園の運営が安定することで、 新しい土地や設備、品種、精製方法への投資が可能になります。
エル・カンバラチェ農園の取得や、 その後の品種改良と品質向上も、 長年にわたる取引の中で実現してきた取り組みの一つです。
主な受賞歴
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2015 Nicaragua Cup of Excellence 2位
La Picona -
2018 Nicaragua Cup of Excellence 90.23点
El Cambalache / Maracaturra Washed -
2021 Nicaragua Cup of Excellence 2位・90.75点
El Cambalache / Maracaturra Washed -
2025 Nicaragua Cup of Excellence Washed部門 1位
La Esperanza / Geisha Washed -
2026 Nicaragua Cup of Excellence Washed部門 1位
El Cambalache / Geisha Washed - 2026 The Best of Maragos 1位
サミュエル・サバラは、父の代から続く家族農園を受け継ぎながら、 農学の知識と実践を重ね、農園全体の品質を高めてきました。
サバラ家とBOOKyourCOFFEEとの関係は2007年に始まり、 現在まで約20年にわたって続いています。
昔ながらの家族農園の姿を残しながら、 品種や精製方法の研究を続けるサミュエルのコーヒーには、 家族から受け継いだ経験と、 次の品質を目指す取り組みの両方が表れています。
その実績と、受賞後も改善を続ける姿勢から、 サミュエルはこれからのニカラグアコーヒーを牽引していく 生産者の一人といえます。