Luis Balladarez
Coffee Producer / Dry Mill & Exporter
Luis Alberto Balladarez
Nicaragua / Nueva Segovia
ルイス・アルベルト・バヤダレスは、ニカラグア北部のヌエバ・セゴビア県で、 ラ・ベンディシオンをはじめとする複数の農園と、 精製・輸出施設「ベネフィシオ・ラス・セゴビアス」を 家族とともに運営するコーヒー生産者です。
長年にわたり、周辺生産者のコーヒーを乾燥、選別し、 世界へ送り出してきた経験を持ち、 自身の農園からもCup of Excellenceで複数回上位に入る コーヒーを生み出してきました。
セルジオから紹介されたラス・セゴビアス
BOOKyourCOFFEEがルイスと初めて出会ったのは、2007年です。
その前年の2006年、ニカラグアCup of Excellenceの審査員として 参加した際に、セルジオ・オルテスと出会いました。
翌2007年、セルジオの農園に滞在していた際、 「良いコーヒーの生産者とつながりたいなら」と紹介されたのが、 ルイス・バヤダレスでした。
当時のルイスは、まだ自らスペシャルティコーヒーを生産する 農園主ではありませんでした。
農園からコーヒーを預かり、乾燥、選別、保管、輸出までを担う 「ベネフィシオ・ラス・セゴビアス」の経営者として、 多くの生産者と仕事をしていました。
複数の処理場を訪問し、集まるコーヒーの品質、 ロットの選択肢、施設の清潔さ、仕事の丁寧さを確認したうえで、 私たちはラス・セゴビアスを輸出のパートナーに選びました。
父の乾燥場から始まった仕事
ルイスがコーヒーの仕事に携わり始めたのは、 ニカラグアの内戦が終わり、 疎開先だったホンジュラスから帰国した後です。
父が経営していたコーヒー乾燥場を手伝い、 農園から届いたコーヒーを乾燥させ、 輸出できる状態へ仕上げる仕事を学びました。
その約13年後に独立し、自らの乾燥場を設立します。 それが、現在のベネフィシオ・ラス・セゴビアスへと発展しました。
ラス・セゴビアスでは、乾燥を終えたパーチメントコーヒーの脱穀、 欠点豆や異物の除去、選別、カッピング、保管、 輸出準備までを行ってきました。
農園で収穫されたチェリーが、どのようにグリーンコーヒーとなり、 どのような状態で海外へ送り出されるのか。 ルイスは、その一連の工程を長年見続けてきた人物です。
精製を担う立場から、生産者へ
ルイスと出会った2007年私たちは、多くのコーヒーを扱い、品質を見極める経験を持つ彼に、 自らもスペシャルティコーヒーを生産してみてはどうかと伝えました。
ルイスはその言葉を受け、ほどなくして農園を購入し、 自らコーヒーの生産を始めました。
もちろん私たちも翌年2008年からコーヒーの買い付けを始めました。
最初は農園をしていませんでしたが、 乾燥場を経営するうえで、 もっとコーヒーのことを知る必要があると感じました。
そこで自分で農園を購入し、運営を始めました。 その後は農園を買い足し、ウェットミルを建て、 カッピングも学びました。
コーヒーを栽培する農園側と、 収穫後のコーヒーを輸出できる品質へ仕上げる側。
両方の仕事を経験していることが、 ルイスの品質管理における大きな特徴です。
土地に合わせた品種選び
ラ・ベンディシオンでは、パカマラやマラカトゥーラをはじめ、 複数の品種が栽培されています。
同じ農園の中でも、標高、斜面の向き、日照、風、 土壌などの条件は区画ごとに異なります。
ルイスは何年もかけて、 土地と品種の相性を確認してきました。
さまざまな品種がありますが、 それぞれに適した土地があります。
何年もかけて土地と品種の適性を試し、 今では同じラ・ベンディシオン農園の中でも、 異なる品種を適材適所に植えられるようになりました。
有名な品種を一律に植えるのではなく、 それぞれの品種が力を発揮できる場所を農園内で探す。
この積み重ねが、ラ・ベンディシオンから生まれる 多様なロットを支えています。
甘さとクリーンカップ
ルイスがコーヒーづくりで重視しているのは、 まず、おいしいことです。
その大前提として、明確な甘さと、 雑味の少ないクリーンカップを求めています。
とにかく、おいしいということが重要です。
甘くてクリーンなコーヒーであることが、 私の中では大前提です。 さらに、赤い果実を思わせるさまざまな特徴を持つものが 好ましいですね。
クリーンであるからこそ、品種、区画、精製方法による違いを 鮮明に感じることができます。
ルイスのコーヒーは、強い発酵感だけで印象を作るのではなく、 甘さを中心に酸や果実感が重なり、 冷めてからもバランスを保つことを目指しています。
コーヒーは、温かい時と冷めた時に 異なる印象を与えてくれます。
どちらの状態でも、おいしく飲めるのが私のコーヒーです。
きれいな酸が上に浮かび、 その中心に甘さが位置するようなコーヒーには、 複雑な特徴も備わっていると感じます。
時間が経っても崩れにくい品質
ルイスの丁寧な仕事は、収穫直後のカッピングだけでなく、 時間が経過したコーヒーの状態にも表れます。
一般的に生豆は、収穫から時間が経つにつれて、 香りや酸の鮮明さが弱まり、 味わいが平坦になることがあります。
しかし、ルイスのコーヒーはパストクロップになっても 劣化が比較的少なく、甘さやクリーンさが保たれやすいことを、 私たちは継続的な取り扱いの中で確認してきました。
これはチェリーの品質だけでなく、精製、乾燥、脱穀、選別、 保管、輸出までを丁寧に管理している結果だと考えています。
一時は、さらに品質を保つ方法として、 輸出時のバキュームパックも検討しました。
包装方法を変えて比較した結果、現在の管理方法でも 品質を高い状態で保てることが確認できたため、 追加コストとのバランスを考え、 バキュームパックの採用は見送りました。
高価な包装方法を形式的に採用するのではなく、 実際に比較し、品質への効果を確認したうえで判断する。 こうした姿勢にも、ルイスの品質管理に対する考え方が表れています。
国際品評会で示した品質
自ら農園を経営するようになったルイスのコーヒーは、 Cup of Excellenceでも継続して評価されるようになりました。
2018年には、ラ・ベンディシオンの レッド・パカマラ・ナチュラルが91.80点を獲得し、 ニカラグアCup of Excellenceで1位となりました。
同じ年には、ウン・レガロ・デ・ディオスの レッド・パカマラ・ハニーも90.22点で5位に入っています。
2020年には、ウン・レガロ・デ・ディオスの マラカトゥーラ・ナチュラルが91.20点を獲得し、 再び1位となりました。
一つの農園や精製方法だけではなく、 異なる農園、品種、精製で高い評価を受けていることが、 ルイスの農園管理と品質管理の幅を示しています。
ラス・セゴビアスの経験を、自社農園へ
ラス・セゴビアスは長年、自社農園だけでなく、 ヌエバ・セゴビアを中心とする多くの生産者から コーヒーを受け入れてきました。
乾燥、脱穀、選別、品質評価、保管、輸出を丁寧に管理し、 数多くの優れたコーヒーを世界へ送り出してきた 信頼性の高い処理・輸出施設です。
BOOKyourCOFFEEの産地研修においても、 農園や処理方法の異なる多数のサンプルを比較し、 パーチメントから輸出直前のグリーンコーヒーまでを学べる、 重要な場所でした。
2025年からは、他の生産者からの精製受託を終了しています。
現在は、ルイスと家族が運営する農園のコーヒーに対象を絞り、 これまで培ってきた精製、選別、保管、輸出の経験を、 自らの生産へ集中させています。
過去に数多くのロットを扱い、 さまざまな品質を見てきた経験は、 現在のラ・ベンディシオンをはじめとする 自社農園の品質管理にも生かされています。
息子ガディエルへ受け継がれる仕事
近年は、息子のルイス・ガディエルが、 農園運営の中心を担っています。
父から受け継いだ栽培、精製、乾燥、品質管理の考えを基礎に、 毎朝カッピングを行い、 その年のコーヒーの状態を確認しています。
ルイスがBOOKyourCOFFEEと出会った頃、 ガディエルはまだ子どもでした。
現在では父と並んで農園を歩き、品質を判断し、 次の世代として農園の仕事を受け継いでいます。
複数の農園を運営しながらも、 品質判断を他者へ任せきらず、 家族が現場に関わり続けることも、 ルイスたちのコーヒーの特徴です。
主な受賞歴
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2018 Nicaragua Cup of Excellence 1位・91.80点
La Bendición / Red Pacamara Natural -
2018 Nicaragua Cup of Excellence 5位・90.22点
Un Regalo de Dios / Red Pacamara Honey -
2020 Nicaragua Cup of Excellence 1位・91.20点
Un Regalo de Dios / Maracaturra Natural -
2021 Nicaragua Cup of Excellence 6位・89.79点
Un Regalo de Dios / Maracaturra Natural
ルイス・バヤダレスは、コーヒーを乾燥し、 輸出する仕事から始まり、 BOOKyourCOFFEEとの出会いを一つのきっかけとして、 自らもスペシャルティコーヒーの生産者となりました。
ラス・セゴビアスを通じて多くの生産者のコーヒーを扱い、 世界へ送り出してきた経験は、 現在の自社農園の品質管理へと集約されています。
BOOKyourCOFFEEが買い付けるラ・ベンディシオンには、 土地と品種の適性を見極めてきた経験、 甘さとクリーンカップを重視する考え、 そして栽培から輸出までを理解する ルイス家族の丁寧な仕事が表れています。
収穫直後の華やかさだけでなく、 時間が経過しても状態が崩れにくいこと。 それもまた、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねてきた ルイスのコーヒーを示す特徴です。