色んな不安が先走り、行くことをしばらく迷っていました。
お店を休むこと、いざ来ても人と馴染めるかどうか、カッピング出来るかどうか…
結論を言うと、結果的に本当に来てよかったです。むしろ来年も来れるならぜひ来たいと思いました!
まず、
産地でカッピングしてみて美味しさに驚きました。
今までは豆選びに迷うことがよくありました。
ここでは日本で選ぶより美味しいのがたくさんあって、しかもサンプルの焙煎に対する安心感もあり判断もしやすいです。
日頃は正式なカッピングというより感覚でやってるのでここまで厳密にスコアをつけてカッピングすることはなかったんです。
最初は難しかったですが、徐々に現地の回数を重ねるにつけていいモノはいいと分かり始めました。
難しかったのは、現地カッパーなどが高得点をつけ、自分は評価できない時です。
情報がつまりすぎてて紐解くことができなかったことも多々ありました。
特に大きく2回あって、ギュッとした感じとか、自分にはどっちで評価するべきか迷う局面もありました。
ただ、その場でカップしながら解説してもらうことで理解できました。
すぐに落とし込める訳ではないですが、今後意識することで改善できるかと思います。
生産者に会ってお気に入りの1人となったサミュエルさん。
仕事に対する姿勢が情熱的で、農園にも1日3回登るという愛情も、お父さんとの思い出のオレンジの樹も印象的でした。
そんな姿を見て自分も真摯に向き合いたいと思いましたし、仕事に対する向き合い方も変わると思います。
今回、産地に来るにあたって2週間お店を空けるので渡航前に卸の在庫管理の方法も見直しました。
色んな新たな試みを始めてこれから動きが変わりそうです。
今回の産地訪問の目的ですが、
実は2年ほど前まであまり興味がありませんでした。
というのも、いわゆる産地訪問のイメージとしては農園に行って、宣伝の為に生産者さんと写真を撮って帰ってくるというように見えていたためです。
農場を見たければ日本の自分の家の近くの農家さんの田んぼや畑を見ればいいのでは?ぐらいに思っていました。
ですが昨年、沖縄のコーヒー農園に行って森の中を歩き、実際のコーヒーの樹を見て、赤い実を見たり食べたりしました。
コーヒーの樹が身近になり、仕入れているコーヒーの生産者さんにも会ってみたい、どういう農園で育っているのか、見てみたいと思うようになりました。
そんな時に仕入れ先のBYCさんから産地訪問のお誘いを頂きました。
「とても勉強になるはず、他の産地訪問に行かれた方もここのツアーは別格だと仰っていた」と背中を押されました。
買付の為の渡航ではありましたが僕の中では昨年と同じコーヒーを同じくらい仕入れようと思っていましたので、買付がメインというより、「生産者と会って、農園を見る」というのがメインでした。
リマさんとエウドロさんのコーヒーを使わせていただいていたので、お二人を生で見れるというのは行く前からとてもワクワクしていましたし、実際に直接お会いできてとても嬉しかったです。
新たにお気に入りの生産者も見つけることが出来たのも収穫の1つです。
生産者ごとに栽培に対する考え方も違い、精製方法の考え方も違いました。
ある程度予想はしていましたが、真逆のことをしていても出来上がるコーヒーは両方おいしいという不思議な体験をしました。
農園で実っているコーヒーの実を食べると甘さも感じつつ青臭さの残る実もあれば、青臭さのないパパイヤのような甘い味の実もあり、楽しかったです。 コーヒーの花も咲いていて、のジャスミンのような香りも感じ、それがゲイシャのカッピングで感じることが出来て、花→赤い実→焙煎豆と繋がっていると感じることが出来ました。
一方で実際に行ってみて見出した新たな価値もあります。
買付・カッピングに関しては想像を裏切られました。
日本ではなかなか巡り合えないような美味しいコーヒーがたくさんありました。
COE受賞農園が多いためでしょう。
ニカラグアとエルサルバドルだけでこのおいしさのレベル。
結果的には昨年の5〜8倍の仕入れになりそうです。
コーヒーの世界は広いと改めて思い知らされ、
また、ここでは全国の個性的なコーヒー屋さんと繋がれるのも楽しさの一つです。
行く前は、16日間は本当に長いなぁと思っていました。
が行ってみると、案外早く終わり、もっと農園に行ったりカッピングしたかったと思うほどです。
まだ産地へ行かれたことが無い方、迷われてる方は是非参加して下さい。
参加者が増えて勉強の密度が薄まるとしたら残念ではありますが、行って損はないでしょう。